振り返りを習慣化し、チームを創部初のインカレ優勝に導いた名将、佐藤壮監督に迫る。
<チームの情報>2020年8月現在
部員数:197人
経歴:立教大学男子ラクロス部出身
2000~08年 立教大学女子ヘッドコーチ
2005年 女子日本代表アシスタントコーチ
2007年 19歳以下女子日本代表ヘッドコーチ
2009年 女子日本代表ヘッドコーチ
2015年 22歳以下女子日本代表ヘッドコーチ
(第7回APLUアジアパシフィック選手権大会・優勝)
2011年~現在 立教大学女子ヘッドコーチ
(第3回全日本ラクロス大学選手権大会・準優勝)
2017年 女子日本代表ヘッドコーチ
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2019年12月、立教大学女子ラクロス部は創部初のインカレ優勝を果たした。
そんな立教大学女子ラクロス部を率いた佐藤壮監督に、指導において大切にしていること、Aruga(アルガ) を利用しての感想と変化を伺った。
(Aruga とは選手一人一人にLINEのチャットボットがついて、振り返りを自動サポートしてくれるマネジメントツールです。)
指導者の役割は選手の目標達成を手助けすること
-Aruga を導入する前から指導において大事にされていたことを教えてください。
「目標設定を選手自身がすること」これに尽きます。
言い換えると「今日何をしに来たのか?」を選手が認知した上で練習に参加していることを大切にしていました。
課題を意識して練習を行い、その練習が終わった後に振り返りをする。というサイクルが基礎として、しっかりとできていることが大事ですね。
そのサイクルを手助けするのが指導者の役割だと自分は思っています。
これが、ここ10年くらいの指導スタイルです。
-いつ頃からそのような指導スタイルになったんですか?
指導を始めて20年ほど経つのですが、初めはリーダーとか指導者とかの立場を、自分自身深く考えたことがありませんでした。
グイグイ先頭に立って引っ張ったり、感情的になったりと、
うまくいかないことが多々ありました。
そんな壁に当たっているとき、日本代表監督として世界と戦った経験が自分の指導スタイルを変えました。
過去の私も含め、日本人指導者はトップダウン型で勝つことが全て、家庭を犠牲にしてまでの指導などが当たり前ですが、海外の人はいい意味でドライでした。
「Just a sport.ただの遊びじゃん?」という捉え方。
その分「スポーツをする意味と意義は自分で考えるべきだ」といったコーチのスタンスに出会って、衝撃を受けましたね。
しかも自分たちは勝利が全てなのに、
そういったチームにボコボコに負けたんですよ(笑)
そこから色々自分の指導スタイルを考え直すきっかけになりました。
-そんなきっかけがあったんですね
振り返ると、それまで自分はコーチとして尊敬されるような、良いことを言わなければいけないと無理をしていたんだと思います。
「コーチっていうのはあくまでも選手のやりたいこと、ゴール達成のサポート役なんだ」
と気づいてからは、そこに威厳はいらないんだなと気づきました。
そこからは、より選手一人一人を「観察」することがテーマになり、
一人一人に対して見える部分が増えていきました。
しっかり観察をすると、より選手に質問がしたくなって
「今日の練習はどうだった?」と、選手全員に聴きたくなっていきました。
それを、紙ベースで一人一人に質問していましたね。
練習終わりに選手に振り返りを紙で書かせて、それをLINEで撮って送ってもらい、一人一人にフィードバックしていたんです。
-それはすごい。。でも作業が大変ですね。
そうなんです。選手の意識が変わるのも感じられたのですが、作業に負担を感じていて。
その時にちょうどAruga の説明を聞いたので、すぐ導入しようと思いました。
-導入の決め手は何ですか?
2つあって、1つ目は作業量が圧倒的に楽になると思ったこと。ペーパーワークから脱却したいなと思っていたので最適でした。
もう一つは、選手がLINEで振り返りができるので、日常生活に溶け込んでいて、継続しやすいサービスだった点です。
1日3分くらいで手軽にできるし、リマインドも自動でしてくれるので、今の選手たちにどハマりしています。
パソコンやウェブのサービスは立ち上げた後に、パスワードを入れたりとかログインするところのハードルが高いのでみんな使わなくなるんですよね。
でもArugaならLINEでいいので、帰りの電車で簡単にできるし、即時フィードバックも来る。そこが大きいですね。
-僕らもユーザーの使いやすさ、継続のしやすさを売りにしているのでそう言って頂けて嬉しいです。
サービスを取り入れる時の障害って、新しいことを身につけなきゃいけない、という心理的ハードルがあると思うんですが、LINEであればみんな毎日触れますし、必ず目に入るのでそこがいいですよね。
継続しやすくて始めやすいところがとてもいいと思います。
見てくれている、という安心感が選手の成長を促す
-具体的に導入して感じられた変化はありますか?
選手50人をコーチ1人で見る時に、コーチ自身は見れていると思っていても、選手からすると「自分なんか見てくれていないんじゃないか」と不安に思ってしまう人が、どうしても出てきてしまいます。
でも、Aruga のような個別対応ができるサービスがあると、「自分のことを見てくれているんだ」と、関心をちゃんと相手に伝えられるので、コミュニケーションのベースが一段階上がりました。
そうすることでより自己開示をしてくれるようになって、選手一人一人と信頼が深まったのを感じます。
信頼が深まれば現場でのティーチングもより効果を発揮するし、いつでもコーチと個別に繋がれている感覚があるので、選手たちもよりコーチを頼ろうとしてくれるようになりましたね。
-一人一人に寄り添えるサポートツール、というテーマで作っているのでそう言っていただけて嬉しいです。
-去年からAruga を利用していただいてますが、実際の1日の中での利用シーンを教えていただきたいです。
朝起きて練習に来るまでに、目標の明確化(チェックイン)をしてもらっています。
練習が終わったら、18時までにチェックアウト(振り返り)をしてもらうようにしています。
朝6時と18時にbotが選手へ自動でリマインドしてくれるので、リマインド機能はとても助かっています。
20時くらいに「選手が振り返りを終えました」と、通知が来るので、
選手の振り返りを見て、必要だと思う選手にはフィードバックします。
また練習に向かう途中に、選手がどんな目標設定で練習に臨んでいるのかをチェックしてから、現場に入るようにしています。
目的を把握しているので、
「こういう目標立ててたけど、どういうことなの?」と、現場で聞けたり、
一人一人に合わせたティーチング、コーチングができるようになりました。
1週間フィードバックしていない選手には、アプリでマークを表示してくれて教えてくれる機能も嬉しいですね。
-ありがとうございます。最後に今後のサービスへの期待を教えてください。
このAruga は振り返りを重要視する指導者にとっては、とても価値のあるサービスだと思います。
でも指導者にもいろんなタイプがいて、計画とか準備に時間かけるタイプもいるし、情熱で引っ張るタイプもいる。
全部大事なんだけど、指導の成果が出ようが出まいが、
選手が競技人生を振り返った時に「何が残ったのか?」を考えると、自分がやってきたことや習慣しか残っていないと思うんです。
それが例えば、振り返りがスポーツを通じて習慣になっていたり、自分で目標を立てて行動し、改善することが癖付けできていれば、社会に出てからも確実にいかせる能力になる。
最後まで選手に寄り添えられれば、いいんですが、みんな最後は自立していくものなので。
指導者の手を離れた後でも、たくましく生きていける能力が身につくようにサポートしてあげるのが、指導者の役目だと思っています。
そのように考えている指導者にとって、なくてはならないサービスになっていくと思いますし、教育者にとって必須なサービスになってくれることを期待しています。
-ありがとうございます!頑張っていきます。本日はありがとうございました。
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-実際の選手の声も聞かせていただきました。
立教大学女子ラクロス部3年 武藤選手
-Aruga を利用していて価値に感じることを教えてください
使っていて良いなと思った点は2つあります。
1つはリマインドがLINEで来るので、忘れずに振り返りを行える点です。
私は基本面倒くさがりですが、そんな自分でも毎日続いてます。
紙よりも簡単に移動中の電車内で記入できるのも良いですね。
2つ目は、実際にたけし監督からフィードバックが来て、自分が振り返ったことに対して客観的な視点をもらえるので、プレーに対しても改善がしやすくなったことです。
主観的には良いと思っていたプレーも、客観的に見たら足りない部分があったりと、
たけしさんがプレーに対してどんな評価をしているのかが、より理解できるようになりました。
-客観的な視点を得られることって大きいですよね。
実際にプレーや練習に変化などありましたか?
はい。朝練習に入る前に自分の中で「今日の練習はこれを意識する!」と言語化をするので、毎回の練習への目的意識が明確になりました。
最初の方は「これやるって決めたのに全然できなかったな」と振り返りの時に、反省をしていたのですが、目的設定と振り返りを繰り返すうちに、徐々に意識できるようになっていきました。
意識したいことや目的って意外と忘れてしまうんですが、Aruga で毎日リマインドしてくれて習慣化をサポートしてくれたので、そこがとても助かってます。
-貴重な体験談を聞かせていただき、ありがとうございました。
Aruga を導入した年に創部初のインカレ優勝した立教大学女子ラクロス部。
「いろんな要因があると思うけれど、組織にとってこのサービスを導入したことが確実にブーストにつながりました。」と佐藤監督は仰ってくれました。
2020年の今年、残念ながらインカレはコロナの影響で中止になってしまいましたが、
「こんな状況になったからこそ、自分たちが目標を立てるべきだ」と選手が率先して動き出したそうです。
このような素晴らしいチーム、そして指導者に価値を提供できるようなサービスになれるようArugaは引き続きサービス改善を進めていきます。
ご興味のある方はこちらのサービスページをご覧ください。
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